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【maya Shibasaki】solo exhbition “Unmistakable Image”

みなさん、こんばんは。

7gallery(セブンギャラリー)の水野です。

毎日暑い日が続いていますね。日中は35℃を超えるのが当たり前になってきています。

どうかご無理をなさらず、体調に気をつけてお過ごしください。

はじめに

先日、夏休みをいただいて海水浴に行ってきました。

釣り好きの父が船を所有しており、離島の海水浴場へ向かいました。

港から5分ほど船で走ると島に到着です。

オンシーズンにもかかわらず空いていて、ゆったりと楽しめました!

さて、今回のBlogでは、現在開催中の展示について書こうと思います。

【maya Shibasaki】solo exhbition “Unmistakable Image”

会期は8月3日(土)~9月5日(木)です。

maya Shibasakiさん プロフィール

埼玉県生まれ。大学でファッションを学んだ後、アーティスト/イラストレーターとして活動をはじめる。絵の具の質感や流動性を意識して、絵やマテリアルとしての心地よさを探りながら色を配置して制作をしている。イベント等のメインビジュアル、パッケージ、雑誌、ウェブへのイラスト提供、アパレルブランドとのコラボレーション等を行っている。

アーティストステートメント

一瞬で過ぎ去っていくシーンを、フィルムのコマのように抜き出していく。

ひとつひとつの断片は、それがたとえ曖昧なまま通り過ぎていくものであっても、私のための紛れもないイメージである。

日々目にする景色や場面の些細な機微は、世界の見方に大きな変化をもたらす。描く絵もまた、その僅かな動きによって大きく変わる。
時間の経過や纏う空気を筆致で追いかけ、描画を連続させ、移動していくひとつづきの出来事として抜き出していく。

そうして掬い上げていったイメージたちを、自分の手によって再現することを試みた作品群です。

展示作品のご紹介

作品を何点かご紹介していきます。全て原画になります。

「A scenery I once saw」

直訳すると、「かつて見た風景」という意味です。

コチラの作品は展示のメインビジュアルにもなっています。

acrylic(アクリル),collage(コラージュ) on canvas 565mm×490mm

アクリル絵具って何?

アクリル絵の具は、水彩絵の具のように乾くまで時間がかかることがありません。空気中の湿気や温度にも影響を受けにくく、乾燥が早いのが特徴です。また、耐水性にも優れており、乾燥後は水に強く、また耐光性や耐候性にも優れています。そのため、屋外での制作や壁画、家具などにも使用されます。

コラージュとは?

コラージュとは、切り貼りや重ね貼りなどを用いて、新しいイメージを作り出す、美術の手法です。フランス語で「貼り付けること」という意味があります。紙や布、写真、テキスト、オブジェなど、様々な素材を用いて作られます。デジタル技術を用いたコラージュが行われることもあります。

「Flower bed at night」(左) 「Tulips」(右)

両作品共にフィルムのコマのように描かれた作品。

両作品共に acrylic, collage on canvas 455mm×380mm

「Flower bed at night」

「Tulips」

「Untitled Ⅱ」

今回の展示では一番大きな作品になります。

ギャラリー入口に飾られています。

acrylic, collage on canvas 1303mm×970mm

絵具の厚みとコラージュによって、とても立体感を感じられる作品。

「Ribbons」

acrylic, collage on canvas 308mm×251mm

キャンバス作品を額装しています。

「girls Ⅰ」(左) 「girl」(右)

独特な表現で女性が描かれています。

(左)acrylic, ink on paper 398mm×307mm (右)acrylic, ink, collage on paper 442×365mm

身に着けている服の首元がコラージュになっていますね。

「Passing by」

現像した写真に加筆した作品です。

acrylic, collage on photograph 270mm×220mm

「After the rain」

acrylic, ink on paper 397mm×397mm

グッズのご紹介

会場ではグッズもたくさん販売しています。

「トートバッグ」

各5,500円(税込)

2色展開です。

ブラックと。

ミントグリーンです。

「クッション」

各11,000円(税込)

「ステッカー」

4枚セットです。

パッケージの蓋部分は手描きになっています。

開封するのがもったいないくらい。

最後に

maya Shibasakiさんのお知り合いで、現代美術家の謝花翔陽さんが今回の展示に関して、評論文を書いてくださいました。

掬い上げられた「紛れもないイメージ」

maya Shibasaki は、日常の断片を絵画という形で「再現」する画家である。大学でファッションを専攻し、服飾の技術に加え、コンセプトメイキングや素材の探求など、衣服を通した表現を学んだ。卒業論文においては、抽象表現主義の画家たち、特にマーク・ロスコ、バーネット・ニューマン、ジャクソン・ポロックらの作品における色彩やマチエール表現を分析し、自身の創作への影響を考察した。卒業制作では、墨でまだらに染め上げた布をさらに紐状に切り分け即興的に編み込むことで形作られたドレスを発表し、その独創性と技術が高く評価された。しかし彼女の関心は常に美術に向いていた。このドレスの制作手法に見られる、素材と対話し色や形状に反応しながら次の一手を決めていく姿勢は、既に現在の創作活動と共通している。

今回発表する作品は、映像作家・詩人であるジョナス・メカスの映像作品《幸せな人生からの拾遺集》に感銘を受け制作された。この作品内で語られている「紛れもないイメージ」という言葉にインスパイアされた彼女は、メカスが日常の瞬間を切り取るように、自らの絵画で日常の些細なイメージを掬い上げていった。
maya Shibasaki の作品は、メカスの作品に見られるピンボケや手ブレといった失敗の美や手作りの温かさに通じるものがある。偶然のにじみやドリッピングを生かした制作手法は、彼女が色や形との偶然の出会いを楽しんでいることを示している。日常のワンシーンを切り取り、それを自身のフィルターを通して再解釈し再構築した作品は、まさしく日記であり彼女が日常をどのように見て感じているかを語っている。
制作過程においては、納得がいくまで絵具の混ざり合いや最適な筆致を探求し妥協しないため、僅かなミスも許さず廃棄してしまう。その緊張感の中でキャンバスと対峙し、肉筆による即興にこだわり内なるイメージを厳密に具現化していく姿は、今時珍しいハードコアな画家そのものである。

幼い頃から絵を描くことを愛していたmayaShibasaki にとって、絵画は最も自然な表現方法だ。彼女の作品は、日々生きている中で通り過ぎていく忘れたくない景色、忘れたことすら忘れてしまうありふれた景色、その全てを掬い上げ、私たちに「紛れもないイメージ」を届けてくれる。そして、日常の尊さや見過ごしてしまいそうな美しさを、私たちに再認識させてくれるのだ。

関西で作品を見られる貴重な機会です。ぜひお越しください!

展示に関するお問い合わせは、下記のアドレスまでお気軽にどうぞ。

7gallery@fujiidaimaru.co.jp

水野

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