“水野視点” アート アートフェア

メタセコイア・キョウマチボリ・アートフェア 2023 について

みなさん、こんばんは。

7gallery(セブンギャラリー)の水野です。

はじめに

今回の記事では、大阪発のアートフェア「メタセコイア・キョウマチボリ・アートフェア 2023」について書こうと思います。

2022年からスタートしたばかりの新しいアートフェアですが、今年も3日間開催され、11月5日(日)に閉幕しました。

メタセコイア・キョウマチボリ・アートフェアとは?

改めて「メタセコイア」についてご説明させていただきます。

以下は、メタセコイアの公式HPより抜粋しています。

これまでの「一等賞を決める様なコンペ型のフェア」よりも、応募者の才能、作品、クリエイションが広く様々な人と場所とにマッチングしていくことを目指しています。グランプリは無く、審査員賞のみ。審査員には優劣や順位を決めるためでは無く、新しい作家との出会いや発掘、そして出会った作家へ賞という形で何かしらのコラボレーションをお願いしています。名前だけの賞では無く、作家の活動を後押しして頂きます。ギャラリスト、アートコレクター、アートディレクターなど、クリエイティブな分野で活躍している方々を審査員としてお招きしています。

僕はこの考え方にとても共感しまして、昨年から審査員として参加させていただいています。

メタセコイアに関しては、コチラの記事も合わせてご一読いただけるとより分かりやすいかと思います。

今年のメタセコイアは昨年にも増して力作揃い

昨年も素晴らしかったのですが、今年は更に力作が多く、審査にも相当の時間を要してしまいました。

323組の応募者から選ばれた39組のクリエイターの中で、特に気になった方を何名かご紹介します。

水野魔利枝さん

プロフィール 1987 年生まれ。京都出身。

2010 年 大阪成蹊大学 芸術学部 環境デザイン学科 テキスタイルデザインコース(現テキスタイルファッションコース)卒業
スマホで撮影した写真をもとにデジタルプリント/シルクスクリーンなどを中心にテキスタイルを制作。
形式を問わずアート・ファッション・プロダクトなど様々な形で京都で制作活動を行う。

コラージュはデジタルでもアナログでも、組み合わせのセンスに注目しています。

水野さんの作品はセンスを感じます。

外の世界をインテリアや洋服など、室内のプロダクトに転換するコンセプトも面白いです。

南村杞憂さん

プロフィール 1995年生まれ。徳島県出身、関西在住。
関西学院大学文学部卒業、神戸大学大学院国際文化学研究科博士課程前期課程修了。
独学でデジタルファブリケーションの手法を駆使し、インターネットカルチャーやSNS等をテーマに日々けったいなものを制作しています。
制作以外にもラジオMCなども務め、神戸のコミュニティFM「FM MOOV」にて毎週水曜18:35〜18:45放送中のラジオ番組「世界の音楽」でレギュラーパーソナリティーとして出演中(2023年現在)。
講談社主催オーディション ミスiD2021 にて「Edge!賞」受賞。
バラエティ番組『DEEPな店の常連さんに密着 イキスギさんについてった』(TBSテレビ)出演(2023年2月28日)。

南村さんの作品はSNSと非常に相性が良く、バズを狙ってとても計算されていると思います。

スケルトンカラーなのも映えていて良いです。

グッズはキーホルダー、スマホケースが気になっています。

久保木要さん

京都府生まれ
2 0 1 7京都精華大学 大学院芸術研究科 修士課程 陶芸領域 修了

陶やアクリルを用いて、「未知の痕跡」をテーマに立体物を制作しています。
陶による立体物は、出土した土器が割れた状態であることを模し、幾つかのバラバラのパーツを組み上げると、ひとつの形になります。
立体物を組み上げる動作を通して、物体には残らない記憶を保存したり、呼び起こす機能を持った道具としてのオブジェクトです。
アクリル板を幾層にも貼り合わせたオブジェクトは、内部のパーツが外側の動きに従い稼働し、「音」や「光」の動きを発生させます。
これらは、「音」や「光」を発生させることで目に見えない存在を認識する、呪術的道具の機能を模しています。
いずれも、人の動きが介入することを前提とした構造を持ち、物体に触れる中で、造形物の持つ影と光、動きや音を手がかりに、私たちの内に残された形を持たない痕跡の存在を想起させる道具について考えたものです。

画面で作品を見るより、実物はとても重厚感があります。光が透過する事で出来る影が美しく、計算し尽くされた完成度の高い作品に驚きました。「未知の痕跡」という一貫したテーマから生み出される久保木さんの作品に、今後も注目していきたいです。

今年の水野智弘賞は?

今年、僕が賞を贈呈させていただいたのはSHIKAさんです。

SHIKAさん プロフィール

イラストレーター・画家 神奈川県生まれ。現在大阪在住
東京藝術大学油画科 卒業
東京藝術大学院油画技法材料研究室 修士課程修了
2010 - 2018年 ドイツの首都ベルリンに滞在。制作・展示活動を行う
帰国後、日本での活動を再開 

受賞歴:
2020年 No.228 illustration ザ・チョイス入選
2021年 No.229 illustration ザ・チョイス入選
2021年 第38回ザ・チョイス年度大賞 受賞
2023年 HB WORK COMPETITION Vol.4 大賞 (川名潤さん選) 受賞

観賞する人が不安な気持ちを抱いてしまいそうな、不思議で独特な作品にいつの間にか引き込まれてしまいました。

ありえないモチーフ同士の組み合わせが意外と違和感がないのもすごいです!

最後に

2024年に、7galleryでSHIKAさんの展示を開催することを考えています。

大型作品の展示やZINE、グッズ展開も視野に入れています。

SHIKAさんのInstagramはコチラです!

来年を楽しみにしていてください!

水野

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